準1級 · 読解 · 第16回
幸福の経済学
この回の内容
準1級 · 読解 · 第16回
所得と幸福度の関係を扱う経済学の英文を読解します。準1級頻出の抽象語彙やデータ表現を学びながら、論説文の主張と根拠を正確に把握する力を養います。
「一定の水準を超えてから」の限定
Easterlin の逆説は beyond a certain threshold of income(所得が一定の閾値を超えてから)という条件つきで、所得と幸福が無関係だと言っているのではありません。
この限定を外すと「経済成長は幸福に無関係」型の誤答を選びます。
GDP の欠陥は counts every transaction as a gain(あらゆる取引を利得として数える)で、原油流出の清掃費まで加算される例が挙がります。
批判を認めてから結論を出す
Critics counter that happiness is hopelessly subjective … There is force in the warning.(警告には説得力がある)と批判を明確に認めます。
そのうえで Still, the deeper lesson stands(それでも深い教訓は残る)と結論へ進みます。
最後の to mistake the map for the territory(地図を土地そのものと取り違える)は比喩で、GDP は道標の一つにすぎないという主張です。
つまずきやすい所
○ 一定の閾値を超えてから対応しなくなる
✗ 所得は幸福とまったく関係がない
beyond a certain threshold が条件。
○ 「唯一の目的地」ではなく道標の一つと位置づける
✗ 筆者は GDP を廃止すべきだと考えている
one imperfect signpost among many が根拠。
○ There is force in the warning と認めている
✗ 筆者は幸福度の主観性という批判を退けている
認めた上で結論を限定している。
閾値の限定と「批判を認めた上での結論」を押さえれば、全否定型の誤答を避けられます。