準1級 · 読解 · 第17回
大地を野生に返す
この回の内容
準1級 · 読解 · 第17回
荒廃した土地に自然の生態系を取り戻す「再野生化」をめぐる準1級の環境論説を読みます。生態系・生物多様性に関する専門語彙と、賛否を整理しながら読む批判的読解力が身につきます。
1つの事例をどう扱うか
イエローストーンのオオカミ再導入は最も有名な事例ですが、批判側は caution against reading too much into one charismatic example(1つの魅力的な事例から読み取りすぎるな)と一般化を戒めます。
さらに欧州のように人が数千年手を入れてきた土地では「野生」は romantic fiction(ロマンチックな虚構)だという哲学的反論が続きます。
連鎖の順序を正しく追う
オオカミ → エルクの群れが薄まる → ヤナギとアスペンが回復 → ビーバーが戻る → 根が深くなり川の蛇行が変わる、という順序です。
設問は途中の因果を入れ替えて誤答を作ります。
結論は The argument is no longer about whether landscapes will change, but about how much control we are willing to surrender で、争点が「変化するか」から「どれだけ制御を手放すか」へ移ります。
つまずきやすい所
○ 1事例の一般化は戒められている
✗ イエローストーンの成功はどの土地にも当てはまる
one charismatic example が根拠。
○ 過去の一場面の保存ではなく動的な過程の回復
✗ リワイルディングは過去の状態を復元する試みである
not to preserve a snapshot of the past が根拠。
○ rarely share the enthusiasm of distant city-dwellers
✗ 農村の住民も再導入に熱心である
対立が明示されている。
事例の射程と連鎖の順序を押さえ、争点が制御の程度へ移ることを読み取ります。