準1級 · 読解 · 第28回
コモンズの悲劇
この回の内容
準1級 · 読解 · 第28回
共有資源がなぜ枯渇するのかを論じる有名な概念「共有地の悲劇」を英文で読み解きます。環境・社会科学の語彙と因果の論理を学び、抽象度の高い長文を読みこなせるようになります。
ハーディンとオストロムの対応
ハーディンは共有地の破滅を必然と見なし、良心への訴えは futile and even counterproductive(無効で逆効果)だとします。
オストロムは私有化も国家統制もなしに持続的に管理してきた共同体を数百例記録し、The tragedy … is not inevitable. It unfolds only where people cannot communicate, cannot make binding agreements, and cannot hold one another to account.(悲劇は必然ではなく、意思疎通も拘束力ある取り決めも相互の責任追及もできない場所でのみ起きる)と条件を示します。
「なぜ個人には見えないか」の説明
No single fisherman who lands one more catch perceptibly empties the ocean(1人が1匹多く獲っても海が空になるとは知覚できない)→ Because the harm is diffuse and delayed while the benefit is immediate and personal(害は拡散し遅れて来るが、利益は即時で個人的だから)が仕組みの説明です。
設問はこの非対称性を言い換えます。
つまずきやすい所
○ 地域の制度による第三の道がある
✗ 共有資源を守る方法は私有化か国家管理しかない
without either privatisation or top-down state control。
○ 悲劇が起きる条件を限定した
✗ オストロムはハーディンの論理を全面否定した
It unfolds only where … の条件節。
○ ハーディンは無効・逆効果とした
✗ 良心に訴えれば自制が広まる(筆者の立場)
自制した者が競り負けるため。
2人の論者の対応関係と「条件つき結論」を押さえれば設問はぶれません。