準1級 · 読解 · 第65回
文字の発明
この回の内容
準1級 · 読解 · 第65回
人類が文字を生み出した過程と社会への影響を論じる準1級の歴史・文化論説です。文明・記録・伝達に関する語彙とともに、長い時間軸の議論を整理して読む力が身につきます。
起源は芸術ではなく会計
The earliest known scripts … are not epics but inventories: lists of grain, livestock, and labour owed to temple administrators. Writing, in other words, was born not of art but of accountancy.(最初期の文字は叙事詩ではなく在庫目録であり、文字は芸術ではなく会計から生まれた)。
共同体が大きくなり取引が記憶に収まらなくなったときに現れたという説明です。
批判を認めた上での反転
プラトン以来の批判(外部の記号への浅い依存を育てる)に対し The complaint is old, and it is not wholly wrong; but it overlooks the obvious. Without the tablet and the page, the very arguments against them could never have been preserved long enough to reach us.(その不満は古く、全く誤りでもない。しかし明白な点を見落としている。粘土板と紙面がなければ、それらに反対する議論そのものが今日まで残らなかった)と反転します。
つまずきやすい所
○ 行政・会計の必要から生まれた
✗ 文字は文学を記録するために発明された
not epics but inventories。
○ 当初は少数が独占し権力の源になった
✗ 文字の普及によって知識は広く共有された
hoarded by the few。
○ 全く誤りではないと認めた上で反転させる
✗ 筆者はプラトンの批判を完全に否定している
not wholly wrong; but it overlooks the obvious。
起源の意外さと両面性、そして反転の結び。3点で主旨の設問が確実になります。