準1級 · 読解 · 第98回
絶対確実な手がかりという神話
この回の内容
準1級 · 読解 · 第98回
自立した個人という概念を社会・哲学の視点から問い直す準1級の論説文です。抽象的な思想を扱う高度な語彙と、議論を批判的に読み解く力を同時に鍛えられます。
弱点は「痕跡」ではなく「人の判断」
The trouble is rarely the underlying trace itself but the human judgement laid upon it.(問題は痕跡そのものではなく、その上に載る人の判断だ)。
指紋の「一致」判定は主観的な比較であり、同じ専門家が日によって違う判断に至ることもあり、容疑者の自白を知ると一致を見出す方へ引かれます。
改革は手続きと文化の両方
手続き面は the reporting of error rates, the blinding of analysts to irrelevant facts, the candid admission that a probability is not a certainty(誤り率の報告・無関係な情報の遮断・確率は確実性ではないという率直な承認)。
しかし The deepest reform, however, is cultural. で、確実さを求める文化がある限り the courtroom will keep rewarding certainty over truth(法廷は真実より確信に報い続ける)と締めます。
つまずきやすい所
○ 強力な補強にはなりうる(求められるのは謙虚さ)
✗ 法科学の技法は無価値だと結論している
None of this means the techniques are worthless。
○ 痕跡に載る人の判断が問題
✗ 問題は痕跡の質が低いことである
rarely the underlying trace itself。
○ 誠実であっても文脈情報に引かれる
✗ 分析者の不正が主な原因である
however honest。
「痕跡か判断か」の切り分けと限定つきの結論。全否定型の誤答を落とせます。