1級 · 読解 · 第33回
未来の影 ― 利己的な者たちの間に協力が生まれるとき
この回の内容
1級 · 読解 · 第33回
「単発ゲームの悲観 → 反復で計算が変わる → 未来の影 → しっぺ返しの4徳 → 条件つきの教訓」の運びです。
反復が計算を変える
単発の囚人のジレンマでは裏切りが常に有利ですが、同じ相手と無期限に関わるなら、一時の利得は以後の報復と天秤にかけられます。
これが the shadow of the future(未来の影)で、Once players expect to meet again, and value future payoffs sufficiently, conditional cooperation becomes individually rational(再会を見込み、将来の利得を十分に重んじれば、条件つき協力が個人的にも合理的になる)。
教訓は無条件ではない
The lesson is profound but not unconditional.(教訓は深いが無条件ではない)。
協力が進化するのは
- 相互作用が繰り返され
- 裏切りが検知され報復されうる
- 将来が過度に割り引かれない場合に限られます。
匿名または最終回の状況では単発ゲームの冷たい論理が復活する。
だから Reciprocity … is no sentimental virtue but a hard-won equilibrium(互酬は感傷的な美徳ではなく、勝ち取られた均衡)です。
つまずきやすい所
○ 条件が揃えば個人的にも合理的になる
✗ 協力は利他心から生まれる
not merely altruistic。
○ 反復・検知・将来重視という条件つき
✗ しっぺ返しは常に最強である
not unconditional。
○ 先に裏切らず、相手が改めれば即座に許す
✗ しっぺ返しは報復一辺倒の戦略
nice / forgiving。
条件つきの結論を落とさないこと。無条件の楽観に読み替える誤答が定番です。