1級 · 読解 · 第76回
豊かさの逆説 ― 成長が幸福を生まなくなるとき
この回の内容
1級 · 読解 · 第76回
「イースタリンの逆説 → 比較と適応 → GDP偏重への疑い → だが誇張も禁物 → 比例の問題」の運びです。
逆説の中身を正確に取る
国内では富裕な個人ほど満足度が高いのに、国全体が豊かになっても平均幸福度はほとんど動かない。
説明は2つ ━
- positional(満足は相対的で、比較は集団内で相殺される)
- adaptation(昇給の高揚は期待の再調整で急速に消え、贅沢はすぐ必需品に再分類される)。
誇張しない結論
Yet the paradox should not be overstated.(この逆説を誇張してはならない)。
国際比較では富裕国の市民の方がやや満足度が高く、経済の崩壊は確実に不幸を生む。
Growth, then, is neither a panacea nor an irrelevance.(成長は万能薬でも無関係でもない)。
結論は比例の問題 ━ 成熟した経済が満足の決定要因を無視して産出だけ追うのは「間違った変数を最適化している」ことだ、です。
つまずきやすい所
○ 国内比較では相関があり、崩壊は不幸を生む
✗ 所得と幸福は無関係だと示された
should not be overstated。
○ 両方が重なって効く
✗ 比較と適応のどちらか一方が原因
Adaptation compounds the problem。
○ 万能薬でも無関係でもない(比例の問題)
✗ GDP は指標として無価値
neither a panacea nor an irrelevance。
相関は国内に限られ、国家間の時系列は横ばい ━ GDP最大化は厚生最大化ではありません。