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1級 · 読解 · 第31回

抗生物質という共有地の悲劇

この回の内容

1級 · 読解 · 第31回

「効くこと自体が耐性を選抜する → 時間の非対称 → 私的利益と拡散した費用 → 管轄を越える → 協調が要る」の運びです。

耐性は誤用の事故ではない

resistance is thus not an accident of misuse but a predictable corollary of use itself(耐性は誤用による事故ではなく、使用そのものの予測可能な帰結)。

  • 感受性のある菌を殺すことが、稀な耐性変異体に生態的な空席を与えるからです。

  • 細菌は分単位の世代交代と種を越えた遺伝子交換で、製薬の創意を圧倒する速度で進化します。

必要なのは市場も主権国家も苦手なもの

Mitigation therefore demands what markets and sovereign states are constitutionally ill-equipped to furnish: coordinated restraint, subsidised innovation divorced from sales volume, and surveillance that treats the bacterial biosphere as a single, indivisible patient.(協調的な自制、売上高と切り離した開発支援、細菌圏を1人の患者として扱う監視)。

  • 結びは「大惨事によってではなく、局所的にもっともな選択の平凡な積み重ねによって抗生物質の時代を失いかねない」です。

つまずきやすい所

  • 適正使用でも生じる(使用の必然)

    耐性菌は不適切な使用が主因である

    a predictable corollary of use itself

  • 時間の非対称(10年 ⇄ 1季節)

    新薬開発が進めば追いつける

    The asymmetry is sobering

  • 越境するので協調が要る

    各国が個別に管理すれば足りる

    transcends jurisdiction

コモンズの型に時間の非対称と越境性を重ねた構成です。結論は協調の要求です。