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準1級 · 読解 · 第9回

ヒトゲノムを編集する

この回の内容

準1級 · 読解 · 第9回

ゲノム編集という最先端の科学テーマを題材に、準1級レベルの論説文を読み解きます。CRISPR など専門語彙と抽象的な議論の構造を理解し、アカデミックな英文読解力を高められます。

線引きは「遺伝するかどうか」

議論の核は体細胞の治療と生殖細胞(germ line)の編集の区別です。

  • Treating a patient's faulty gene is, in principle, a private medical decision; rewriting the genome of all their descendants is not.(患者の遺伝子治療は私的な医療判断だが、子孫全員の書き換えはそうではない)とセミコロンで対比されます。

  • 設問はこの区別を混ぜて誤答を作ります。

倫理の問いは安全の先にある

Even if germ-line editing could be made flawless, who would decide which traits count as defects worth eliminating?(たとえ完全に安全でも、何を欠陥とみなすか誰が決めるのか)は、安全性が解決しても残る問いを示す譲歩節です。

  • 批判側は治療から能力の選抜への滑り(a slide from curing disease toward selecting for height, intelligence)を警告し、賛成側は refusing a proven cure on speculative grounds is its own kind of cruelty と返します。

つまずきやすい所

  • 非難されたのは生殖細胞(遺伝する)編集の事例

    CRISPR による治療全般が国際的に禁止された

    体細胞治療と germ line の区別が論の核。

  • 「大げさに言うのが難しいほど大きい」= 極めて大きい

    difficult to overstate = 過大評価されている

    hard to overstate は肯定的な強調表現。

  • Even if … flawless でも残る問いがある

    賛成派は安全性が確立すれば倫理問題も消えると考えている

    譲歩節が示すのは「安全の先の問い」。

体細胞と生殖細胞の区別が全体の軸です。強調表現 difficult to overstate の意味も落とさないことです。